東北文教大学

日本語IIB

後藤 典子(准教授)
担当者名/
後藤 典子(准教授)
 留学生のための日本語の授業です。前半は、日本語能力試験N1、N2の合格を目指して、聴解を中心に総合的な日本語の力をつけます。後半は様々な場面で日本語による適切なコミュニケーションができるよう、日本語のバリエーションとしての「若者ことば」や「山形地域語(方言を含む、山形で話されていることば)」の特徴を学び、上級の日本語を目指します。

15回分の内容

> ガイダンス> 聴解基本練習①―語彙に注目
> 聴解基本練習②―想像力を使って> 聴解応用練習-気づき
> 新形式問題に慣れる①> 新形式問題に慣れる②
> 日本語能力試験模擬試験①> 日本語能力試験模擬試験②
> 日本語能力試験模擬試験③> 山形地域語の特徴を学ぶ①
> 山形地域語の特徴を学ぶ②> 山形地域語の特徴を学ぶ③
> 若者ことばの特徴を学ぶ①> 若者ことばの特徴を学ぶ②
> まとめ

山形地域語の特徴を学ぶ①

 ここでは、10回目の授業「山形地域語の特徴を学ぶ①」を紹介します。

 山形で留学生活を送る本学の留学生は、地域体験を始めとして実際の生活の中では、友人との会話、アルバイト、大家さんや近所の商店街などでも、山形地域語に接することが多いようです。山形地域語は、留学生が教科書で学ぶ日本語とは文法も表現も発音も違っていて、とまどうことが多いようです。
 では、始めに文法の特徴をみてみましょう。

①「んだ」と「んね」

 「~ですか?」と聞かれたとき、共通語では「はい」「いいえ」で答えますが、山形地域語では「んだ」「んね」で答えます。「~ますか?」で聞かれたら、共通語では「はい」「いいえ」で答えますが、山形地域語では「んん」「ん~ん」で答えます。

 また、「んだ」は、返事だけでなく、接続詞やあいづちなどにも使われ、「そうですね」は「んだね」、「そうでしょう?」は「んだべ?」、「そうなの?」は「んだが?」、「じゃあ」は「んだら」、「だから」は「んだがら」という表現が使われます。返事やあいづちなどは意識せずに発話するので、よく耳にすることばとして理解する必要があります。

②「べ」

「べ」は山形地域語の終助詞で、以下のような場合に使います。

 *何かを誘うとき
  さあ、一緒に行ぐべ。

 *相手の同意を求めるとき
  日本語はむずがしいべ。

 *相手の意向を確認するとき
  これでわがるべが。

③「~てける」「~てけろ」

「ける」は共通語「くれる」の山形地域語で、依頼や勧めの表現によく使用されます。

  あした、お弁当つくってける?
  日曜日、家さ遊びに来てけろ。

「ける」と聞くと共通語の「蹴る」をイメージしてしまい、どうしてお弁当を「蹴る」んだろう???ということになってしまいますが、実は親しみを込めたお願いの表現です。
「けろ」は「ける」の命令形ですが、命令しているのではなく、相手のことを親しくて好ましい人だと思って、強く勧めているのです。

④「~んなね」

 義務・当然を表す「~なければならない/~なければいけない」は長い表現でなかなか口が回らず、留学生が苦労する表現です。それが、山形地域語では「~んなね」となり、とても短く言うことができます。少し活用が違いますが、発音もしやすく便利です。「さんなね」などはよく耳にすることばだと思います。

 次に、地域語を聞き取りにくくする音変化です。

⑤有声化

 山形地域語で最もよく使われるのは「有声化(濁点がつく)」です。語中や語尾のカ行音やタ行音が有声化(濁点がつく)します。

 *とうほくぶんきょうだいがく→とうほぐぶんきょうだいがぐ
 *やまがた→やまがだ

⑥促音化(小さい「っ」になる)

 これは、あまり気づかれていない特徴ですが、山形地域語では後ろにタ行音、カ行音が来るとき、ラ行音は促音化し、「っ」が使われます。

 *あるか?→あっか?
 *こわれるから→こわれっから
 *練習すると→練習すっど(有声化も有)
 *食べるとき→たべっどぎ(有声化も有)
 *たたかれた→ただがっだ(有声化も有)

 このように、有声化も現れて、聞き取るには複雑な音変化が起こります。
 もとは、どのような形だったのかがわからないと、正しく理解することはむずかしいので、このような山形地域語の特徴について、音声も聞きながら勉強します。そして、もっと「伝わる」日本語を目指します。


(H24.10更新)

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