東北文教大学

生活文化の理解と発信

澤 恩嬉(准教授)
担当者名/
澤 恩嬉(准教授)
 私たちが「当たり前」だと思っている現代日本の生活文化の中から、他の国との違いや共通点を見つけ出し、調べ、発信する授業です。
 遠隔授業方式で、韓国の高校に向けて調べた内容を分かりやすくまとめ、オンライン上で発信します。

15回分の内容

> ガイダンス> 発信するテーマ決定
> 取材および編集> 第1回遠隔授業
> 振り返りとテーマ決定> 取材概要とスクリプトの作成
> 取材および編集> 第2回遠隔授業
> 振り返りと教材化のための話し合い> 教材化①
> 教材化②> グループ発表
> 第3回遠隔授業> 振り返りと教材の再編集
> まとめ

自文化を異文化的な視点で捉える

 今回は第5回目の「振り返りとテーマ決定」を紹介します。

 授業で、「日本の文化を外国へ紹介するとしたら、何を取り上げますか」と問いかけると、日本人学生からよく出てくるのは、「着物」や「茶道」などの日本の伝統文化が多いです。日本に来たことのない外国の人が考える日本のイメージも、「舞子さん」や「相撲」など、テレビなどでよく目にする日本の姿かも知れません。しかし、実際日本人が日常生活の中で、本物の「舞子さん」や「相撲」を見る機会は滅多にありません。着物を着るのは、成人式の時が初めてだと言う人がほとんどです。もちろん「茶道」について説明できる人もそう多くはないでしょう。

 この授業では、まず「『文化』とは何だろう」という問いから出発し、話し合いを通じて発信するテーマを決めます。
 話し合いを進めているうち、韓国からの留学生から、日本の「自転車」がめずらしいという意見が出ました。女子高生などが制服のスカート姿で自転車に乗っているのが留学生の目にはとてもめずらしく写ったようです。留学生の国、韓国ではスカートをはいて自転車に乗るのは考えられないとのことです。
 この話を聞いた日本人学生たちからは、外国の人たちに自分たちの姿がそのように写っていたことに驚いたという意見とともに、自分たちが「当たり前」に思っている日常生活の中にも、他の国の人から見れば「当たり前ではない」かも知れないということに気づいたという声がありました。

 このように、私たちが生活の中で日常的に行っていることや見ている風景をちょっと異文化的な視点で捉え直すだけで、自文化が見えてくるのです。


分かりやすく伝えること

 取り上げるテーマが決まると、テーマをどのように伝えるかという話し合いをグループごとに行います。韓国の高校生は、日本には興味がありますが、日本語があまり話せないので、どうすれば分かってもらえるかという工夫が必要です。
 画像や映像を多く取り入れたり、日本語を分かりやすく言い換えたり、漢字にローマ字やふりがなを付けたりなど、分かりやすく伝えるための方法はいくらでもあると思います。また、この授業には留学生も参加しているので、留学生の力を借りて日本語を翻訳したり、通訳してもらったりすることもできるでしょう。

 「分かりやすく伝える」ことは、日本語があまり通じない外国の人のためだけではなく、実は日本人同士でも必要なコミュニケーション能力です。自分の考えや意見を相手に正確に伝えることはなかなか簡単なことではないですよね!
 この授業では、このような全体およびグループでの話し合いを繰り返す中で、相手の意見に耳を傾け、自分の考えや意見を積極的に述べる力を養っていきます。


遠隔授業の様子

 テーマを決め、グループで調べ、まとめた内容は、日本に興味を持っている韓国の高校生に向けてオンライン上で発信します。「Voice Talk」というGoogleのビデオチャット機能を使って発表をしたり、韓国の高校生から質問を受けたりします。
 写真は、実際の遠隔授業の様子です。双方向遠隔通信で行っているので、こちらからの発信だけではなく、リアルタイムで意見交換ができるのがこの授業の特徴でもあります。


教材化

 この授業の最終ゴールは、発表した内容を韓国の高校の日本語授業でも使えるように教材化することです。発表資料だけでは教材にはならないので、教材としての工夫や教える側への説明などを加える作業が必要です。
 こうしてできあがった教材は、現代日本文化を伝える世界に一つしかないオリジナル教材になるのです。

 教材1)は、学生たちが場面を設定し、映像を撮り編集を行った教材です。日本と韓国で店の名前の呼び名が異なることに注目し、作成した教材です。日本人学生と留学生が日本語で会話したものを録画し、韓国語の字幕を入れて編集を行いました。分かりやすく伝えるための工夫ですね!

教材1)「31(サーティワン)って何?」

 教材2)は、日本での食事のマナーに注目し、作成した教材です。クイズ形式で答えるように作っています。写真なども学生たちが撮影しているので、よりリアルティあふれる教材としてできあがりました。この問題は、ご飯ではなく、麺を食べる時のマナーについて取り上げていることが面白いですね。答えは分かりましたか?

教材2)「日本の食事のマナー」

 以上が「生活文化の理解と発信」の簡単な紹介ですが、この授業は、どちらかと言えば学生のみなさんの話し合いやアイディアによって作り上げている授業です。毎回の授業での新しい発見を、担当者である私もとても楽しみにしています。


(H24.10掲載)

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