10 狐娘

 むがしむがし、ある村にとっても働き者の若衆いだんだったど。
 ある日、とつぜん若い娘ゴ来て、
「何とか、おれば置いて()らんないべが」
 て頼んだんだど。若衆はちょっと見だれば、ええ女なんだけど。んだげんども、困って、
「あなたみだいな、きれいな人、おれよりももっとええところいっぱいあっから、そごで頼んだ方が…」
 て言うたげんど、ほの娘ぁ、かぶり横にふって、何とが、何とがって頼むもんだから、置ぐことにしたんだど。
 したれば、次の日がら働くこと、働くこと、朝早くからせっせ、せっせと働いて、村中の評判になたんだどはぁ。んだげんど何だか米の御飯食べねで、油揚げとか、またランプの油などばり舐めているなだけど。また村の人々が狐憑きでないがなていう人いで、狐憑きだら、村さ置くわけいがねがら、狐いぶしさかけで みらんなね。ほして狐ば()い出してやんなねだなていうたんだど。
 したれば、はえづ何処がで聞いっだほの娘が、居ねぐなてしまったんだどはぁ。きっと山さ入って行ったなだべなぁて、村人が語ったんだけど。
 ほだいしているうち、若者もいねぐなてしまったんだどはぁ。二人山さ入って行って仲よく暮していだべなぁて話していだけどはぁ。
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