３３ 女郎の半分買い村の若衆だ、女郎コ買い行ぐだいげんど、なかなか高くて大変だった。ところで一人のトンチのええ人が、一策を案じた。「半分ていって、全部買えばええわけだ」 ほうして、みんなさ相談して、一人の人が廓さ行ってそこの主人さ交渉したんだど。したれば、おら家では商売だから、半分でも三分の一でも、なんぼでも売っから、買ってばり呉らっしゃいて言うんだど。 若衆だ喜んで、みんな買いに行って、半金支払って上がった。いよいよ本番となったれば、最初遠慮していだげんど、だんだん気合いがかかってきて、これで六分、これで八分、これで全部といわれて、全部取らっだけど。中には半分しか入れね約束だったげんど、最初から全部入れた若衆もいだっけど。 |
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