13 まま子ばなし

 むかしあったけど。
 父ちゃんがお伊勢さまさ、お詣りに行ったど。そんでお母さんが家にいて、先妻の子どもさ、
「木切ってこい、山さ行って…」
 て、やって、「八束切って来い」て。して切って来たれば、「美しいもの呉れっから」て、何か釜鍋ガラガラ煮立ったけって。そさ、木切ってきたな渡して、美しいもの、木の上さ渡して、「そいつ取れ」て、そして渡って取っど、煮立ったお湯さ入ったから死んでしまって、それを庭の隅こさ埋めたど。そうすっどお伊勢さまからおどっつぁま帰って来たど。
「どこさ行った」
 て聞いたれば、
「大概来る頃だ、来る頃だ」
 て言うたど。ところが御飯食ってたどこさ、美しい鳥プンと飛んで来て、
    ままかかうらめしや
    萩八束 手で折れと
    萩の橋渡っどて
    ツルリチャポン
 て言うた。「何だこの鳥、不思議な鳥来たもんだ、これ」て思って、またこんど庭の隅の方さ、プウンと飛んで行ったらば、塚あっけずま。そしてそこさ、
「ままかかうらめしや、萩八束手で折れと、萩の橋渡っどて、ツルリチャポン」
 て、またそこさ行って言う。こんど掘ってみたれば、その娘だったど。そしたら親父、ごしゃえではぁ、かかどこ追い出してやったど。どんびんと。
(中條ちゑの)
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