9 猫股

 猫飼っていだったど。そして夜、毎晩げに、朝に手拭い肩さかけて草刈りに行くべと思って見っじど、毎日濡れていんのだど。そして何だと思って夜眠ねで番しったってよ。そしたら猫がその手拭いかぶって出て行ったんだど。
 そうすっど、隣の猫にそっちからもこっちからもいっぱい集まって、手拭いかぶって寺の前のようなどこで踊りおどっていたんだど。―まいどは火箱まで化けだという世波だから、猫踊ったって…。
 んだから、朝げ、手拭いぬれでいるのだど。そして猫の正体わかったっていう話だど。
(鈴木よし江)
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