10 送り狼

 じじが朝げ暗いうちに草刈りに行くべと思って行ったらば、ちょうど杉林のあたりで、狼なもんだから、骨ひっかけてウォーン・ウォーンていだんだけど。すっど、
「どれどれ、おれ取って呉れっから」
 どて、とって呉っじゃんだど、鎌でよ、骨ひっかけだの。そうすっど喜んで帰って行ったんだど。狼がよ…。
 その後に、どこさか行ってよ、ほら、御祝儀だとか、ほら何だとかてよ、行けば前には苞(とこ)コにくるんだもの持って途中まで来っど、クンと持(たが)ったものが軽くなっかったど。そして家さ着くとまた重くなんのだど。そして送ってくるもんだけど、骨とってもらったお礼に。これは本当にあった話だ。
(鈴木よし江)
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