13 おぶさろうの化物

 貧乏な暮しでよ、役場さつとめっだ人だど。その人が毎日、雪ぁ降っても雨ぁ降っても決して休んだことなく、真面目に正直な人であったど。そうすっどある雨雪のとき、寒くて濡れてはぁ、曲がって(背を丸めて)来たって。そうすっど途中で今みたいに家が混んでいねんだからな、「おぶさろう、おぶさろう」て、うしろから言うものいだって。
「何だべ、おぶさろう、おぶさろうて追っかけて来る。何者だべな」
 と思ってわらわら来っど、なんぼでも追かけて来て、「おぶさろう、おぶさろう」て言うつうわけよ。そしてあんまり「おぶさろう、おぶさろう」て言うもんだから、「おぶされ、ほれ」て、下に居たっていうわけよ。そうすっど、ドシンとおぶさらっじゃど。そしてやっと家まで背負ってきて、そして降ろしたらば、ドサッと落ちるごんだど。
 そして次の朝まで置いて、何なもんだか分んねがら、おっかなくて見ねでて、次の朝げ見たら、金だったて。真面目に正直に勤めて、そして神さまのおめぐみ、みな金だったど。それから、とんな安泰になったど。んだから正直にするもんだ。どーびんさんすけ、猿まなぐ、猿の尻(け)っつがまっかっか。
(鈴木よし江)
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