17 鶴女房

 むかし、与太郎という若い者ぁ、貧乏で毎日出稼ぎして稼いでいだっけど。田んぼさ行ったとき、鶴があやまちして飛べねでバダバダていたけど。そいつ連(せ)て来て傷なおして呉っで、
] 「傷ぁ治ったから嫁になって呉ろ」
 て、与太郎の嫁になったわけだど。そうすっどそいつ、
「恩返しに何かしねでいらんねから」
 ていうわけで、「決して、おれが機織った時、覗き見しんなよ」て、一反織り上げて、「江戸さもって行って売って来い」て。そいつ持って売りに行ったんだど。そうすっど高いぐ売っで、だんだん暮しが楽になって来ているうちに、自分の毛抜いて織っていんのだから、鶴がやせてしまったど。
「どこか悪いか」
 て言うど、「悪くない」て。そうしているうちに、与太郎の友だちが来て、
「どうか一反織って呉ろ」
 て言うもんで、与太郎は嫁さ、
「もう一反織って呉ろ」
 て、頼んで織ってもらった時、決して見てなんねぇぞて言わっだの、その、いま一反というとき見たのであったど。そんで見らっじゃもんだから飛んで行ったんだど。どーびんと。
(鈴木よし江)
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