18 瓜姫子

 じんつぁとばんちゃいたんだど。裏の畠さ瓜植えたれば、大きい瓜なったんだど。瓜から生まれた子どもだごでな。瓜姫子ざぁ。
 そして瓜割ってみたれば赤ん坊入っていて、女の子だったど。
「名前何と付けたらええがんべ」
 というたらば、「瓜から出たから、瓜姫子と名付んべ」。そして年頃の娘になって機織り習って機織りしていたど。
「じんつぁとばんちゃ、今日茸とって来っから、留守番してろな」
 て、瓜姫子ばり留守番させて山さ行ったんだど。
「天邪鬼来っど悪いから、決して戸開けんなよ」
 て、機場の戸閉めて行ったんだど。そして機織っているうち、やっぱりその天邪鬼来たのだど。「瓜姫子、機織りか」て言うたば、「機織りだ」「おれんどこも中さ入れねか」と言うげんども、
「じんつぁとばんちゃに、この戸開けっど、ごしゃがれるから、戸開けらんね」
 て言うたば、
「つうと(少し)でええから開けて呉ねが、この指入るほどでええから開けて呉ねが」
 て、指入るほど開けて呉たら、ガラーッと戸開けて中さ入って、瓜姫子殺して瓜姫子の着物きて、瓜姫子に化けて自分が機織りしったんだど。そして機織りしていたもんだから、じんつぁとばんちゃ晩方帰ってきて、見れば瓜姫子の姿だし、満足で天邪鬼来ないと思って、
「天邪鬼来ねがったが」
 て言うたれば、
「来ねがった、早かったな、じんつぁとばんちゃ」
 なて言うもんだから、それから、
「茸汁して食せっから、早く御飯出して…」
 なて茸汁したんだど。そしたればイシズキも取んねで、その茸、なんぼも食うがったど。おかしいなぁと思っていたげんども瓜姫子の姿しているんだし、気付かねでいたば、桃の木さ何か鳥が止まったんだど。そして瓜姫子ば桃の木さ吊るしったの、ただ気付かねでいたずごでな。瓜姫子の姿して着物きて手拭かぶっていたもんだから、
    瓜姫子は桃の木 アマノジャクは機織りだ
 と、鳥啼いたんだど。そうすっどおかしい鳥啼くなと聞いて、何べん聞いてもそういう風に聞えるもんだから、そしてよく見ればやっぱり瓜姫子でないがったじだな。そして仇討ちさっだど。とーびんと。
(三瓶ちの)
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