20 糠福・米福

 糠福は前のおっかさので、米福は後のおっかさの子どもだったど。栗拾いに袋持(たが)ってやらっで、糠福は袋に穴あいたのあずけらっで、米福の袋はちゃんとしたなだったど。そして糠福の方はなんぼ拾っても、なんぼ拾ってもたまんねがったど。そして米福はいっぱいになったもんで、先に帰ってしまって、糠福は一つも拾わんねので、残ってで、沼辺さ立っていたら、波がざあときて、そこから、おっかさんが出て来たのだど。そして打出の小槌をもらったど。そして家さ来て、
「お祭りだから行ってこい」
 て言わっで、今までに持っていないような着物きて行ったど。
(鈴木よし江)
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