26 姥捨て山

 親、六十二才になっど、昔ぁみな、木の股さはさんで山奥さ捨てたそうだ。そいつをある親孝行な息子がいてて、殿さまが調べに来っどき、母さんどこ穴倉さ隠しったごんだど。そして隠しておくと知しゃねもんだから、後、息子が殿さまさ願いに行ったもんだ。
「おれ、悪がったげんども、親いないじど、何とも困り果てっから、あまり悪がったげんども、隠し申しったけがら、どうか許して下さい」
 て、行ったそうだ。そうしたところぁ、
「ああ、ほんじゃ許すから、灰で縄千尋なってこい。んだど許す」
 て言うたんだど。どうしたもんだか、灰で縄千尋なって行かんなねと思って穴倉さ隠しった親さ聞いた。そしたら縄なってから焼くどええていうので、そしてその息子さんがこんど千尋の縄なって、そくっとそのまま焼いて、そうして持って行ったそうだ。
 それからは六十二才になっても、誰も殺す人いなぐなったどはぁ。
(中條ちゑの)
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