47 闇夜の千羽ガラス

 狩野がお絵上手で、頼まっで行ったど。「絵図描いてけろ」て言わっで…。そうすっじど、「何描いたらええべ」「闇夜に千羽ガラス描いて呉ろ」て言わっだど。そうすっじど、屏風一枚、べろべろ、べろっとすっかり染めてしまったど。そして、
「そがな、いたましく屏風さっで、まよって(弁済)もらわんなね」
 て、旦那ごしゃえたど。そしたら、
「ほんじゃ、まよう(弁済)から戸少し開けて呉ろ」
 て、戸をちいと開けて、片脇からウチワで、ボッボッボッとあおったど。したら千羽ガラスぁ、ガァガァガァガァと、みな飛んで行ったど。そうすっどきれいな元の屏風になってしまったど。「こんでまよった」というたど。そしたらば「ちいと残して呉ろ」て言うたげんど、みな飛ばしてやったって。
(鈴木よし江)
>>置賜平野の昔話2 目次へ