50 猫の足

 猫ぁ毎日毎日、魚盗ったりして、何とも仕様ない。困って猫ば包丁で叩いたば、猫の足ぁ切っじゃって。そしているうちに居ねぐなった。
「どこへ行ったべ」
「猫ぁどこかさ行って死んでいたもんだ」と思っていだって。そしたば近所の人、カマザキのお湯さ湯治に行ったって。そしたば、「お前の猫ぁ、いだっけ」て言うけど。手入っでまた上げて、手入っで、猫ぁ湯治しったけど。そしてその傷治ったば、家さ帰ってきたど。ほだからカマザキのお湯、傷さうんとええど。
(鈴木よし江)
>>置賜平野の昔話2 目次へ