32 お     杉

 稲子さ、稲子山越えて、和田から行くとき、その通り筋にすばらしい太い杉の木あったんだど。その杉の木が「お杉」となって、お伊勢さまにお詣りに行ったって。そして天井さ、お札、ちゃんと上がっていっかったど。
 そいつ、ホラになったもんだから、下さ蛇巣食って、そこ人歩くと呑まっだもんだから、天火(雷)で焼がっでしまったど。
    ×     ×
 夫婦松だの相生松だのは、切っどきは片一方でなく、二本一緒に切らんなねもんだど。
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