19 長灯篭稲荷明神

 入生田の旧家吉三郎さんは栗田惣兵衛さんの北にあった屋敷の北隅に稲荷明神を祀っている。長灯篭稲荷明神という。吉三郎さんの妻は狐にとりつかれて、なんとも離れないで困り果てた末、易を立てて見たら、屋敷は荒れ果てて、稲荷の社を祀ってくれる者がいないので祟ったのであった。さっそく明神を修復して祀った。それからけろりと平癒した。
(入生田)
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