22 青苧権現のこと

 入生田の栗田惣兵衛さんは明治維新のとき、屋代郷の四人衆の分限者といわれた。当時上杉藩は極度の財政難で、自領の富豪より金を借りた。惣兵衛さんでも金を用立てて、帯刀を許された。その当時、百姓として帯刀をゆるされたことは稀有なことである。
 同家について伝うるところ、往時亀岡舘の山のふもとに屋敷があったといわれ、また舘の山は同家の所有であった。また青苧権現は同家の氏神であったといわれる。同家は入生田に移ってからも、年に一度は羽織袴で供物持参して参詣したという。五代前に失火して古文書を焼失したという。
(入生田)
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