24 古峯神社の霊現

 古峯さまの霊現顕著なことは数多いが、和田の某が、今更ながら古峯神社の霊現あらたかなことがあったと語った。今から数十年前のこと、汽車がようやく奥羽線の全通を見た頃、同行六・七人と共に古峯神社に参詣したところ、同車中懐中していた財布が紛失したが、その人は、自分は戻るといったところ、同行の人々は多少持ち合せがあるからと、古峯神社にそのまま参詣したが、どうも傍にいる見知らぬ人があやしい、注意しているとその人の持っている風呂敷はどうも自分のものと同じである。そして帰りに宇都宮から福島・米沢と来て、その人は降りないので、そのまま後を追って秋田まで行ってつかまったという。風呂敷包の中に入っていた金は一文も使っていなかったのは古峯さまの加護かとよろこんだという。
(和田)
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