51 火玉と火柱を見る

 西の安部客次さんから、幼少の頃下新田からの帰り道五輪窪にさしかかったのは午後の八時頃であった。東の方でドンと音がしたかと思うと、青光りする火玉が五六間地上を西の方へ飛んで行く。そのとんだ後は青く尾を引き、そして天王川あたりで消えて見えなくなった。その大きさは人の頭ぐらいあったという。それから和田へ行った帰り下和田へさしかった時であった。亀岡山の麓へ高さおよそ五六丈もあろうと思う火柱は立った。およそ一分間ぐらい、それは西の方へドタッと倒れてしまった。家人に語ったら、四五日して亀岡大火であった。大火の前兆で、火柱を見ると火事にあうという。
(露藤)
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