77 変事の前兆を知る

 栗田政之助さん、政四郎さん、民次さんの大家は田舎での大火とされたこの火事のあった一週間ぐらいも前から小江方面に、狐火が一晩見えた。また翌晩も見た、一同は不思議なことよと話し合った。若衆連中は其の正体を見届けてくれようと、狐火を見に行くと一つ見えなくなり、二つ見えなくなり、皆消えてしまった。人々は余りの不思議さに何か変ったことがなければよいがというていたが、この火事で、後から思い合わされたといわれている。
(露藤)
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